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コラム

地銀だから安定はもう遅い?!
【地方銀行の再編】を
徹底的に研究!②

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ではなぜ2014年に入り、
多くの地銀が再編へと踏み切ったのでしょうか?

大きな理由は、

人口減少による市場縮小への危機感

です。

人口減少に伴い、
地銀が預金を貸付に回して利益を得るという
銀行業の本業(※)」で収益をあげることが、
年々厳しくなっています。

メガバンクなら
海外での銀行業務のような収益源もありますが、
国際業務を行っている地銀は
10行しかありません(2015年6月時点)。

それ以外の96行は
本業を立て直せるフィールドはもっぱら国内で、
それも自行の地盤がある地域に限定されてしまい、
さらに経営が厳しくなることはほぼ確実です。

さらに、
大都市圏以上に人口が減少し
高齢化が進んでいる地域では、
企業への貸付だけでなく、
住宅取得適齢期の世代が減って、
地銀が本来得意とする
住宅ローンの貸付も縮小しています。

人口減少による少子高齢化に伴い、地銀にとって
良い貸付先は年々見つけにくくなっています。

ゆえに、
人口減少に歯止めをかけることが簡単ではない
という事実を考えると、
地銀は統合による規模拡大を追う必要があるのです。

※銀行業の本業での利益の推移グラフ
2015年度、
実質業務純利益は約1兆6000億円で、
前年同期比で約400億円減っています。

2015年度、
当期純利益は約1兆600億円で、
前年同期比で約80億円減っています。

地銀再編のメリット

それでは再編した地銀には
どのようなメリットがあるのでしょうか。
以下の3点があげられます。

地盤と資金力の拡大
地銀同士が統合することにより、
広い範囲をカバーできるようになります。
すると、顧客企業が新たな地域に出店したり、
事業を拡大したりする場合、
有益な助言や取引先の紹介など
支援をしてもらいやすくなります。
さらに、資金力が豊富になることで、
金利競争や顧客の奪い合いに
競り勝てるようになるのです。

経営資源の集中によるコスト削減
再編によって、
・重複する経費や人員の削減
・店舗の統合を行う
などコストを削減できるようになります。

シナジー効果が生まれる
シナジー効果とは、再編によって
当事者が持っていた価値の総和以上の価値が
生み出されることです。
例として、
・両行がお互いの強みを共有することで
 収益力が強化される
・有能な行員のノウハウが持ち寄れるため
 人材の質があがる
などです。
つまり、
「1+1=2」を超える効果が生み出されるのです。

地銀再編のデメリット

それでは再編した地銀には
どのようなデメリットがあるのでしょうか。
以下の2点があげられます。

規模の拡大によるサービスの低下
顧客側からすると、
・地銀同士の合併で店舗数が減り、
 給料の振込先支店が遠くなってしまう
・事業資金を融資して欲しいのに、
 統合によって審査基準の厳しい
 地銀の制度が適用され、
 事業資金が借りられなくなってしまう
などの事態が起こることも考えられます。

本来地方銀行は、
狭い地域内の顧客一人一人のニーズを深掘りする
地域密着型という部分に特徴がありますが、
地域を超えた再編は地方銀行の良さが
失われてしまう可能性があります。
地銀の規模が大きくなり、
かえってサービスの質が低下するようでは、
地方経済の活性化など望めません。

規模の強化はもちろんですが、
より細かな顧客ニーズを汲み取る
ビジネスモデルが求められてくるでしょう。


異なる企業文化を持つ組織同士で
 上手く調和が取れない

銀行の統合や合併にはさまざまな困難が伴います。
一番の問題は、
それぞれが独自に築いてきたシステムの統合に
大きなコストがかかってしまう事です。

また、統合するといっても、
本来ライバルであった銀行です。
それは、それぞれの行員にとっても
心情的にはなかなか受け入れがたいものです。
これまでの地銀再編でも、
システムや人事制度の統合ができず、
両行における主導権争いから、
経営効率をなかなか高められず
失敗する例も多くありました。
再編に失敗すれば、それが要因となって
経営が危うくなることも十分あり得えます。

再編計画を策定する段階で、
将来起こりうるリスクを想定し、
停滞しても早急に修復できるような
備えまで検討しておくべきでしょう。

おわりに

地方銀行が
大きな転換期を迎えているのは紛れもない事実です。

地銀に入ればとりあえず安心

という状況ではなくなっているのです。

土日祝日の出社はなく、
福利厚生も充実しているという恵まれた待遇も、
今後は維持できないかもしれません。

地方銀行を志望するのであれば、

志望する先の経営は悪化していないか
今後再編するという噂がでていないか
再編したのであれば、
 その後の経営は上手くいっているのか

など企業研究を十分に行ってから、
選考に臨むべきでしょう。

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