明日から変わる!成功する‟企業研究法”とは(IR情報編)

就活生の皆様、そろそろ自己分析もでき、次のステップとして企業研究を進めている方もいるかと思います。そんなとき、多くの就活生がぶつかる壁があります。それはIR情報って何?どの項目を見ればいいの?など、そんな疑問が多数でてきます。結論から言うと、簿記や勘定科目の細かな知識は不要です。企業の状況を大づかみするのは皆さんが思ってるより簡単なのです。本稿でご紹介する企業分析手法を用い、ご納得のいく就職先を見つけてください。

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2017.09.09

ざっくり言うと

  • IRとはなにか
  • 就活生が見るべき項目とは
  • 数字で企業の経営状況を見極めよう

目次

はじめに


そもそもIRとは?


企業におけるカネの出入りを知ろう!


決算書のどの項目をみるのか


経営指標を用いた優良企業の見つけ方


おわりに





はじめに

現代は企業社会です。
そんな時代を生き抜く上で
企業の経営状態を
知ることは極めて重要です。


にもかかわらず...
多くの就活生は自分が志望する
企業の経営状況を知ろうとしません。

その原因の一つとして考えられるのは
企業の決算書というのは
専門知識(ex.複式簿記や会計基準)が必要なので
素人には読めないという
誤ったバイアスがあることです。


しかし、決算書は決して難しくないです。
本稿で紹介する五つの概念さえ知っておけば
簡単に読むことができる書類です。

そもそもIRとは?

IR(Investor Relations)とは
企業が株主や投資家に対し
財務状況など投資の判断に必要な情報を
提供していく活動全般を指します。

企業におけるカネの出入りを知ろう!

本稿で知っていただきたいことは以下のことです。


会社ではおカネの出入りが頻繁に行われますが
-おカネの入り方は3通り
-おカネの出方は2通り しかないということです。

会社に入ってくるおカネは
次の3通りに集約されます。


1.返すという約束の下に集められるおカネ(負債)
2.株主からの拠出(資本)
3.稼いだおカネ(収益)
 

一方、会社から出ていくおカネは
次の2通りに集約されます。


1.おカネの価値がなくならずに留保されているもの(資産)
2.おカネの価値がなくなったもの(費用)


上記五つをまとめたものが
「試算表」といいます。
 
その記載は極めて単純で

表の右側には、
入ってきたおカネ(負債、資本、収益)を表記。

表の左側には、
出ていったおカネ(資産、費用)を表記。
これは、現代企業も同じです。

ちなみに票の
右側は「貸方」左側は「借方」と呼ばれています。

決算書のどの項目を見るのか

まず試算表の「収益」と「費用」を比べてください。

1.収益と費用の大小関係
2.負債と資本、収益との大小関係

上記二点が企業が
繁栄しているか否かを端的に示します。

実はこれが決算書を読むうえで
いちばん大切なポイントです。


〇試算表は決算期にPLとBSに分割

この試算表は決算のときに
下半分が切り離されます。
下半分は、収益と費用から成る
「損益計算書」になります。


多くの就活生は損益計算書における細目を
読もうとして決算書を難しく捉えてしまいます。

そうではなく真っ先に
-「売上高」
-「売上総利益」
-「営業利益」
-「当期純利益」
を読むのが得策なのです。
 

これは、「貸借対照表」も同様です。
試算表から切り離された上半分の貸借対照表は
資産、負債、資本が併記されます。


しかし、貸借対照表を読むうえで最も重要なのは
資産、負債、資本の大小関係です。
 
負債が小さく資本の大きな会社というのは
財務基盤が強固であるのに対し、

負債が大きく資本が小さな会社というのは
財務基盤が脆弱なのです。
 

現金の出入りから企業の状況を読む
さて、今度はキャッシュフロー(CF)計算書です。

CF計算書というのは
会社が事業活動でおカネを
増やせたかどうかを示した書類です。
 
そもそも会社は
利益追求を目的として
事業活動をしています。

つまり、おカネを増やせたか否かは
重要なことなのです。

そこで、重要なのが以下の考え方。
会社の活動を次の三つに分けます。

1.営業活動…今日、おカネを稼ぐための活動
2.投資活動…将来のおカネを稼ぐための活動
3.財務活動…資金の調達や返済/配当金の支払いなどの活動


当然のことながら...
営業活動のCFはプラスでないといけません。
マイナスだとお金を
稼げなくなっていることを意味するからです。

次に投資活動ですが
例えばA社がインフラ投資したと仮定します。
普通、このような活動は将来のための
先行投資になるので、マイナスになります。
 
ここで大事なことは、
正常な状態の会社というのは
投資CFのマイナスは
営業CFのプラスを下回るということです。

*会社によっては、将来の成長のために
果敢に多額の投資を行う場合もあります。
そのような場合においては
営業活動のプラス以上に
投資活動のマイナスが
大きくなることがあります。

そのような場合においては
その後の事業年度において
営業CFのプラスが増加しないといけません。


以上を簡単にまとめると...

細目を細かく見ることは必要ない。
営業CFと投資CFの
大小を比較することこそが一番大切。

経営指標を用いた優良企業の見つけ方

決算書の基本的な読み方を押さえたら
それを用いて優良企業を見極めることも可能です。

もちろん優良企業の定義はさまざま。
ただベースとなる評価軸は存在します。

それは以下の三つに大別できます。

倒産のリスクが少ない「安全性」
稼ぐ力を備える「収益性」
成長の可能性を示す「将来性」

それぞれの評価に役立つのが
財務3表の数字を基に割り出す「経営指標」です。
 
経営指標を用いた経営分析には
優先順位があると考えています。

まずは安全性から見るべきです。
どんなに収益を上げても
会社は負債が返済できなければ
倒産してしまうからです。

では、どうすれば安全性を見抜けるか。
そこでチェックすべきが貸借対照表です。

BSから安全性を評価するというと
多くの人が「自己資本比率」を挙げます。

でも、いくら自己資本比率が高くても、
目先の資金繰りに詰まって
倒産することがあります。


短期的な倒産リスクを調べるには
より現金に近いものから見ていくべきです。


まずチェックすべきは現預金と
すぐ現金化できる有価証券などを足し
月商で割った「手元流動性」です。


大企業であれば1カ月分、
中規模企業だと1.2〜1.5カ月分ほどあれば
短期的に安全でしょう。
 

次に、流動資産を流動負債で割った
「流動比率」を見るべきでしょう。

1年以内に返済すべき流動負債より
同期間で現金化できる流動資産が多ければ
当面の資金繰りは問題ないでしょう。


一般的には120%以上あれば安全といわれますが
小売業や外食のように日銭を稼げる業種では
70%ほどあれば安全といえるでしょう。


流動比率の代わりに
現金化しやすい当座資産を流動負債で割った
「当座比率」を見てもいいでしょう。


そのうえで中長期的な安全性を
調べるのに役立つのが「自己資本比率」です。

一般的に製造業は20%以上
小売業は15%以上あれば安全といえます。


次に収益性を見ていきます。
ここで見るのは損益計算書(PL)。
指標としては「売上高営業利益率」といった
売上高に対する利益の割合を中心に見ていきます。
 

収益性の指標は業界によって基準値がさまざま。
そのため複数の同業他社と比べて相対的な稼ぐ力を調べたり
自社の過去と比べ、収益力が伸びているかを
チェックしたりすることが重要です。
 

そのうえで売上高を総資産で割った
「総資産回転率」「総資産利益率」を見るのもいいでしょう。

また売上高がいくら伸びても
それ以上に不良在庫が膨らんでいては危険。


棚卸資産を月の売上原価で割った
「棚卸資産回転月数」にもチェックしましょう。


最後に「将来性」を見るのに役立つのが
キャッシュフロー計算書です。

企業が成長するかは
どれほど将来への投資をしているかが
カギとなるからです。
 

減価償却費以上に投資しているかを
「有形固定資産」の売却費と購入費の差額を
「投資額」として計算します。

投資額が減価償却費を上回っていれば
将来に期待を持てます。


ただし過剰な投資にはリスクも付きもの。
そこで営業CFと投資CFの差額である
フリーCFがプラスかどうかもチェックするべし。

おわりに

上記でご紹介した企業分析手法を最大限に活用し
数値で優良企業か否かを見極めることが
できるようになりましょう。


本稿が皆様のお役に立てれば幸いです。