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学力だけで勝負は決まらない──いまどきの能力主義から就活を考える

今日は、「学歴がすごく高いわけではないけれど、実際には力のある学生さんについて」とお題をいただいたので、就活における「学歴だけで勝負が決まらない部分」についてお話してみます。

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作成日:2020年08月25日  更新日:2020年10月22日

ざっくり言うと

  • 学歴だけではない…しかし決して無視していいわけではないことも事実
  • 居心地のいい職場は学生が「選ぶ」のではなく「選ばれる」ことが必要
  • ハイレベルな就活をパスする資質は大いなる長所

 

現代人の社会適応について知りたくて、ブログや本を書き続けている精神科医の熊代亨といいます。

 

今日は、「学歴がすごく高いわけではないけれど、実際には力のある学生さんについて」とお題をいただいたので、就活における「学歴だけで勝負が決まらない部分」についてお話してみます。

 

学歴を無視していいわけじゃない

本題に入る前に、学歴についてあらかじめ断っておきます。

 

学歴だけで就活が決まらないのは事実ですが、学歴を無視するのはさすがに無謀です。

 

たとえば一流大学の学生さんをたくさん採用している企業が、総合力で勝る中堅大学の学生さんを採用することなら、時々あるかもしれません。

 

とはいえ、そういう企業がまったく無名大学の学生さんを採用することはほとんど考えられません。

 

書類選考の段階で足切りされてしまうのが関の山でしょう。

 

いわゆる偏差値の低い大学が低レベルな教育を行っているとは限りませんし、偏差値の高い大学の学生が全員ハイクオリティであるとも限りません。

 

それでも、学歴は学生のクオリティを推定する材料のひとつとみなされがちで、ときには足切り選考のモノサシとして用いられることは心得ておく必要があります。

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だけど学歴だけが見られているわけではない

とはいえ、就活が学歴だけで決まるわけでもないのは皆さんもご存じのとおりです。

 

いまどきの就活生はたいてい、挨拶、言葉遣い、身だしなみや仕草、面接官とのやりとりなどについてあちこちからアドバイスをもらっていることでしょう。

 

そうこうしているうちに、近年は就活生がみんな似たような服装をし、似たような身だしなみや仕草で、テンプレート的なプレゼンテーションを心がけるようになりました。

 

どうしてそうなったのでしょう?

 

それは、挨拶や言葉遣いや身だしなみや仕草、面接官とのコミュニケーションなどが審査や評価の対象になり、皆さんもそのことをよく知るようになったからではないでしょうか。

 

参考:経団連|『2018年度 新卒採用に関するアンケート調査結果』

 

経団連が発表している「新卒採用に関するアンケート調査結果」では、毎年のように「コミュニケーション能力」「主体性」「チャレンジ精神」「協調性」といったものが並んでいます。

 

このように、学歴や専門性以外の資質も期待されていると発表され、就活生のみなさんにも知れ渡っているわけですから、そこで競争が起こるのは自然なことです。

 

いまどきは、これらの資質を身につけ、アピールするためにさまざまな活動に取り組まれる学生さんもいらっしゃいます。

 

実際、採用側が「コミュニケーション能力」「主体性」「チャレンジ精神」「協調性」を期待している以上、期待に応えられる人材であるとアピールするのは有効な戦術ですし、たくさんの就活生がそれに取り組み、アピールしようとするのもわかる話です。

 

そうしたアピール競争が何年も繰り返された結果として、就活は次第に似たスタイルに収斂(しゅうれん)し、ともすればテンプレート的なプレゼンテーションのなかで優劣が競われるようにもなりました。

 

そのことにうんざりしているかたもいらっしゃるでしょう。

 

ですがこれは、学歴以外の資質に優れた学生さんにとってそれほど悪い状況ではないはずです。

 

抜きんでた高学歴を持っていなくても、採用する側が期待している資質を上手にアピールできるなら就活強者になり得る、ということでもあります。

 

そして就活で期待された資質は就職した後も長く役立つことでしょう。
 

「おまえが居心地の良い職場を選ぶんじゃない。居心地の良い職場がおまえを選ぶんだ」

ところで、年収の高さや企業のネームバリューとは別に、居心地の良い職場や働きやすい企業を求める就活生のかたもいらっしゃるかと思います。

 

一般に、働きやすい企業や居心地の良い職場は就活生ががんばって探し回って求めるもの、と考えられています。

 

もちろん、そういう側面も否定はできません。

けれどもそれだけでなく、逆のロジックも働いていたりするのではないでしょうか。

 

つまり、「就活生が居心地の良い職場を選ぶのではなく、居心地の良い職場が就活生をがんばって選ぶ」というロジックが、意外と強く働いているのではないでしょうか。

 

たとえば、社員同士が迷惑をかけることも足を引っ張りあうこともなく、意思疎通もスムーズで協調性がしっかりしていている、そんな職場を想像してみてください。

 

とても働きやすそうな、ホワイトな職場に思えますよね。

 

では、そういう「労働者にとって理想的な職場」はどうやって成立し続けているのでしょう?

 

その職場が成立し続けるためには、迷惑をかけない社員、足を引っ張りあうことのない社員、意思疎通がスムーズで協調性のある社員が集まっていなければなりません。

 

理想的な職場が成立し続けるためには、そこにいる社員も全員、理想的な職場にふさわしい人間でなければならない、と言い換えてもいいでしょう。

 

もし、その職場にふさわしくない人間が入ってきてふさわしくない振る舞いを続けたら、理想的な職場環境は成り立たなくなってしまいます。

 

あるいは、その職場に勤めている最中に(なんらかの理由で、たとえばメンタルヘルスの病気などによって)ふさわしい振る舞いを続けられなくなったとしたら、いたたまれなくなってしまうかもしれません。

 

就職先の職場が理想的であればあるほど、働きやすい企業であればあるほど、実は、入り口の段階で新人を念入りに選別しなければならないのではないでしょうか。

 

そしていったん新人が入ってきた後も、より理想的な職場にふさわしい社員に、より働きやすい企業にふさわしい社員に育てなければならないのではないでしょうか。

 

残業の少ない職場についても同様です。

 

残業の少ない職場が成立し続けるためには、定時までにだいたいの仕事を片付けられるぐらいの優秀な社員が集まっていなければなりません。

 

理想的な職場や働きやすい企業と同じく、それに見合った資質や能力が期待されるということでもあります。

 

必然的に、残業の少ない職場は就活生にそれ相応の資質を期待せずにはいられません。

 

ハイレベルな企業、ハイレベルな就活をパスする資質は間違いなく長所

昨今は、企業のコンプライアンスも向上し、理想的な職場やより働きやすい企業が増えているように見受けられます。

 

少なくとも、一流企業や人気企業ではそうでしょう。喜ばしいことです。

 

ただ、それは事実の一面でしかありません。

 

企業のコンプライアンスが向上するにつれて、就活生に、いや、私たち全員に期待されるコンプライアンスや資質も高まっているのではないでしょうか。

 

私は今年、『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』という長いタイトルの本を出版しました。

 

本のなかで私は「社会全体がどんどん行儀良くなって、どんどんハイクオリティになったら、ついていけない人は大変だよね」といった内容のことを書いています。

 

理想的な職場や働きやすい企業に就職し、そこで気持ち良く働いている人がいる一方、まさにそのコンプライアンスや快適さについていく資質が足らず、生きるのが大変だと感じている人もいることを、私は診察室の内外で見てきました。

 

私個人は、日本社会にはハイクオリティになり過ぎている部分があるのではないかと心配しています。

 

それでも皆さんが就活するにあたっては、理想的な職場についていくのに役立つ資質が期待され、それらも長所とみなされ、評価する人はしっかり評価しているという事実は意識していただくに値することだと思います。

 

行儀作法の良さ、挨拶や言葉遣いのていねいさ、意思疎通のうまさや協調性の高さなどは、いまどきの職場で期待され、確実に役立つものです。

 

少なくとも、そういった資質をしっかり身につけた人こそが求められ、アドバンテージを発揮できる就活シーンというのは存在するでしょう。

 

社会学者の本田由紀さんによれば、現在の日本社会は学歴以外のさまざまな能力までもが期待され、評価される「ハイパー能力主義的な」社会なのだそうです。

 

そうした社会に生き、そうした社会に就職するみなさんの長所は学歴だけではありません。

 

そして学歴以外の自分の能力や資質をよく見極め、長所をわきまえながら生きていくスタイルは就活が終わった後もきっと役立つことでしょう。

 

どうかご活躍ください。

 

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この記事を書いた人

1975年生まれ。信州大学医学部卒業。精神科医。ブログ『シロクマの屑籠』にて現代人の社会適応やサブカルチャーについて発信し続けている。通称“シロクマ先生”。著書に『ロスジェネ心理学』(花伝社)、『「若作りうつ」社会』(講談社現代新書)、『健康的で清潔で、道徳的な秩序ある社会の不自由さについて』(イースト・プレス)などがある。

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