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看護師の給与はなぜ高くなったのか 1968ニッパチ闘争の歴史

どんな企業を目指すのか?という意思決定において、賃金の問題は避けて通れません。「賃金はどうやって決まるのか?」という法則をしっかり知ることが重要です。

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作成日:2020年09月24日  更新日:2020年10月22日

ざっくり言うと

  • どれほどやりがいがあっても「賃金」は仕事選びで外せない重要な項目
  • 労働者の待遇面において健全な労使関係が大きく影響する
  • 労組の実態は外部から見えにくいものの、労組がある企業を選ぶことが人生を左右する可能性あり

 

どんな企業を目指すのか?という意思決定において、賃金の問題は避けて通れません。

 

もちろん仕事選びには「やりがい」、「社会的ステータス」、「安定性」、「成長性」など様々なファクターがあります。

 

しかし、多くの人にとって最も重要な項目はやはり「賃金」でしょう。

 

どれほどやりがいがあって楽しくて社会的ステータスのある仕事でも、手取りが10万円では長く続けることは難しくなります。

 

やりがいはあるけど給与が低い仕事として有名なのはアニメーターなどがありますが、3年以内の離職率は9割にまで達すると言われています。

 

しっかりと賃金をもらえる仕事を選ぶためには「賃金はどうやって決まるのか?」という法則をしっかり知ることが重要です。

 

先日公開の記事(では「カッコいい仕事は給与が安い」という法則についてご紹介しました。

 

これは労働者の待遇は需要と供給によって決まるため、需要に比して供給(つまり就活生人気)が多い仕事は給与が安くなる…という経済学的な現象について説明したわけですが、実は賃金の決定プロセスにはもうひとつ重要なファクターがあります。

 

それは、労働交渉が可能か否か?という要素です。

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看護師の給与が高くなったワケ 1968年ニッパチ闘争の歴史

看護師の平均年収は500万円前後と言われています。

 

日本人の平均年収は441万円(国税庁「平成31年 民間給与実態調査」より)ですから、平均よりもかなり高いことがわかります。

 

さらに看護師は女性が多く、働く人の年代も労働者全体より若くなる傾向にあります。

 

この要素も含めて考えると、看護師は待遇面でかなり恵まれている仕事といえるでしょう。

 

しかし看護師の待遇は昔から一律でこれほど良いわけではありませんでした。

 

むしろほんの50年ほど前まで、看護師はブラック労働の代表のような仕事だったのです。

 

「私たちの日常の勤務状態は夜勤が月の 10 日にも及び、その他に昔の女工並みの 1日 13時間労働が月 2~6 回もあります。

 

……夜勤時においては、重症患者、救急患者が多く、腰かける暇もなく暁を見ることもしばしばです。

 

また、40人もの患者を一人でみているために、大切な命をあずかる責任感で神経は常に緊張の連続です。

 

ちょっとゆるがせにすれば命にかかわる事故は目前です。

勤務が終わるとただ寝るだけです。

 

人間として、女性として向上しようと思っても、おけいこ事もできません。

既婚者は家族ぐるみ犠牲になる夜勤で家族争議のもとになっています」

 

(引用:富山県職員労働組合中央病院総支部『しあわせはみんなの願い、二人以上の夜勤でよい看護を』(1968 年)より)

 

これは看護師の長時間労働の改善を訴えるパンフレットから引用したものですが、当時の過酷な労働環境が伝わってきます。

 

1日13時間労働。

40人もの入院患者を看護師ひとりで診る夜勤体制。

 

しかも当時は基本給も安く、夜勤手当はほとんど付きませんでした。現在の看護師の待遇とは大きく異なることばかりです。

 

この過酷な待遇を変えるために立ち興ったのが、1968年のニッパチ闘争と呼ばれる労働争議です。

 

「夜勤の当直は2人以上・夜勤は月8日以内」を求めて新潟県立病院で始まった運動は、その要求を全面的に通すことに成功します。

 

その後も看護師の労働争議は全国で広まり続け、現在のような好待遇を勝ち取るまでに至りました。

 

看護師の給与が高い理由には、医療労働運動の成功という背景もあるのです。

 

健全な待遇は健全な労使関係から

このように、労働者の待遇は団体交渉によって左右される側面が多分にあります。

 

看護師という高度な技術を要する医療専門職でさえ、ブラック待遇であったことを念頭に置いてください。

 

専門性・必要性・生産性は賃金を決定する重要な要素ですが、それだけで全てが決まるわけではないのです。

 

団体交渉が賃金を決める。これは経済学的な事実です。

 

つまり労働組合が存在しない企業を選ぶことは、あなたの生産性がどれほどあってもブラック労働に甘んじるリスクを引き受けることになるわけです。

 

もちろん労組の有無が全てを決定するわけではありません。

例えば任天堂には労組が存在しませんが、ホワイト待遇で有名な企業です。

 

逆に労組が存在していても、名ばかり労組や御用組合となって機能していない企業も大量に存在します。

 

それでは、団体交渉が機能している企業を見分けるにはどうすれば良いのでしょうか。

 

残念ながら、労働組合の実態は外部から事前に見分けることが難しいという側面があります。

日本の労組は会社別組合であり、外部からその内情を知ることが難しいのです。

 

ただし、労組関連のトラブルがないか、メディアの報道や口コミサイトなどでチェックすることは可能です。

 

そもそも労組が存在しているかを知ることももちろん重要でしょう。

 

労組が存在しないのにホワイト待遇を保持している任天堂はむしろ例外的な存在です。

 

労組があっても必ずしも安心はできませんが、労組がない企業には警戒心を抱きましょう。

 

健全な労使関係を築けているか?というのは、企業選びにおけるプライオリティの高い項目です。

 

特に歴史のある大企業なのに労組が存在しないのは何か特殊な事情がある可能性が高いです。

 

もちろんベンチャー企業や、テクノロジー系の新興企業などの場合は割引いて考える必要があります。

 

労使関係というのは、就活生があまり注目しない分野です。

しかし、労働者の待遇は労使関係によって大きく左右されます。

 

「看護師という高度な技術を要する医療専門職でさえかつてはブラック待遇だった」ことを忘れないように、労使関係についてのアンテナを高く持ちましょう。

 

もしかするとそれは、あなたの人生を大きく左右するかもしれません。

 

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この記事を書いた人
投稿者

小山晃弘

フリーのWEB企画屋。
過去作に「年収偏差値チェッカー」「メンヘラ.jp」など。
現在は主に「note」で執筆活動中。狂人。

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