

「オワハラ」ってどうやって対処したらいいの?正しい内定辞退のやり方とは
近年耳にするようになった「オワハラ」。就職活動特有の、企業から学生に対する「ハラスメント=嫌がらせ」行為です。 相手は大人で社会人。ですが就活生だって一人前の人間です。オワハラに遭ったからといって泣き寝入りすることはない! 今回はオワハラの実態と対策についてまとめました。
作成日:2015年08月12日 更新日:2019年12月11日
ざっくり言うと
- オワハラは、「就活終われハラスメント」の略称
- 恐るべきオワハラの実態
- オワハラを撃退するとっておきの方法とは
そもそも、オワハラとは?
オワハラとは、「就活終われハラスメント」の略。
企業側が優秀な人材を確保したいがために、学生に対し他社の内定辞退などを強要する行為を指します。
オワハラが注目されるようになったのは、2016年度採用のスケジュールを経団連が変更したころでした。
学生が学業に専念できるよう、選考開始日を4月1日から8月1日に変更したときのことです。
当時このスケジュール変更に対応したのは、大手企業と経団連に加盟している一部の企業のみ。
大半の企業が4月1日に選考を開始し、そこで内定した学生が8月以降の選考に応募するのを妨害する行為が横行しました。
2015年春にNPO法人がオワハラの解説動画を作成。YouTubeで拡散されたことにより注目を浴びました。
オワハラそのものは内定者を確保したい企業としてはやむを得ない行為でもあり、実際問題視される前からおこなわれています。
ですが、セクハラをはじめとするハラスメント問題は、そのような対応を受けた側が感じたことがすべて。
企業側が今まで通りと思ってやっていることでも、学生の皆さんが不快に感じたらオワハラになります。
一方で、学生側が過剰に反応し、SNSなどで拡散することで企業のイメージダウンにつながる、という問題も出てきているようです。
こんなにあるの!?オワハラの恐るべき実態
では、実際にどんなオワハラがあるのか。就活生の声をもとに、具体的な事例を4つご紹介します。
1.交渉型
内定と引き換えに他企業の内定を辞退するよう、取引を持ちかけるケースです。
このような要求をしてくる企業は、たとえ入社したとしてもブラックである可能性も高いのだとか。
2.束縛型(囲い込み)
内定者が他の会社の選考に参加できないよう、企業がスケジュールをブロックしてしまうケースです。
4月には内々定をもらっていても、他の企業も受けてみたいのが学生のホンネ。
ところが、他企業の選考が始まる8月1日から研修を入れるなどして、物理的に他企業の選考を進めることができないようにしてしまうのです。
研修に出なければ内定はもらえないかもしれない、などと脅迫めいた手法を使ってくることもあります。
3.同情型
企業が食事やイベントに頻繁に誘い、学生に恩を売って断りにくくさせるケース。
「これだけ優遇したんだから、当然ウチの内定をもらってくれるよね」という押しつけがましい人事の態度で、一気に冷めてしまいますよね。
4.脅迫型
「内定を断ったら、同じ大学の人は二度と採用しない」など脅迫してくるケース。
中には、内定辞退の電話をかけたら逆ギレされた、という話もあるから驚きです。
ときどき「一週間以内に内定を受けるか決めるよう言われた」などをオワハラと捉える学生もいますが、こちらはやる気のある学生を採用したい企業としては当然のことです。
採用する企業側も学生を選ぶ立場であるということを、忘れてはいけません。
オワハラに遭わないための内定辞退法とは
オワハラは、勿論すべての企業で起きていることではありませんし、業界によって偏りがあるわけでもないので、何が引き金となるかもわかりません。
ネットやSNSなどで実際にオワハラのあった企業を知ることはできるので避けることもできますが、いつオワハラに遭っても大丈夫なように心がけておきたいポイントを3つにまとめました。
1.大人の対応を心がける
オワハラの大半は、優秀な学生を手元に置いておきたい、という子どものようなワガママです。
企業側も社会人といえど人間なんだな…と思って、大人の対応を心がけましょう。
上記のように内定を交換条件に出されたり、ましてや逆ギレされたりすれば怖くなってしまうかもしれませんが、すぐに反応したり感情的にならないように。
2.シミュレーションする
実際にどんなオワハラに遭うか、またあった時どう切り返すか、しっかりシミュレーションしておくのもよいでしょう。
大学の就職担当の人と協力して、様々なパターンを想定しておくことが大事です。
3.自分の意志を持つことが一番!
一番の対策は、自分がどのような会社に行きたいか、どんな仕事をしていきたいか、自分の意志を明確にしておくことです。
自分の芯がしっかりととおっていれば、どんなオワハラも敵ではありません。
自己分析や業界研究を綿密におこないましょう。
どうしてもオワハラが終わらない場合の対処法
これだけ対策をしても、どうしてもオワハラが終わらない…
「就活を終わらせろ」といっておきながら行為をやめないなんて何だか矛盾している気もしますが、そんな時は一人で悩まず相談しましょう。
1.大学の就職課やキャリアセンターに相談する
最も身近な、大学の就活窓口である就職課ないしキャリアセンターに相談するのが一番でしょう。
同じような学生を何人も見てきているハズですし、学内であれば相談もしやすいですよね。
2.弁護士に相談する
本当に手に負えないようであれば、労働条件に詳しい弁護士の力を借りるのも一つの手です。
100%学生の味方になってくれるでしょう。
ただし、これだけオワハラという概念が広まっている今、企業も対応を考えています。
企業も人ですから、少なくとも、心の底から来てほしいと思う学生には嫌われるようなことはしたくないのです。
実は、オワハラを受けている学生は大抵「2番目くらいに来てほしい」レベルの学生だという見方も。
「ここで就活を追えてウチに来る勇気があるのなら内定をやろう」と試されているわけです。
厳しいことを言いますが、余りにも悪質なオワハラをしてくる企業に出会ったら、自分は必要とされていないと認識した方が良いでしょう。
オワハラに負けず、自分の将来をしっかりと勝ち取っていきたいですね。