【業界研究】出版業界‼︎電子書籍の台頭で業界に激震??現状と今後の展望とは?
出版業界の仕事ってどんなことをしているのでしょうか?
2015.12.27
ざっくり言うと
- 出版業界とは
- 業界の魅力とネガティブ要素
- 業界の現状と課題
はじめに
出版業界というと、
編集者のイメージがあるかもしれません。
しかし、
それはあくまで出版業界の一部の仕事にすぎません。
今回は就活生に人気の出版業界の本質に迫ります。
しっかり出版業界の研究をしましょう!
出版業界とは
出版業界は他の業界と比較すると、
特殊な流通形態を持っています。
出版社→取次→書店・コンビニ→消費者
という基本構造になっています。
特殊な点は、出版物は委託販売制だということです。
つまり、書店は送品されてきた出版物を、
出版社に返品することが出来るのです。
近年では電子書籍が発展し、
電子取引や電子書店という事業分野も生まれています。
主な仕事内容
【出版社】
制作(制作、校閲)
→企画・編集・制作・外注依頼・打ち合わせ・
デザイン編集・校閲など
編集
→作家との企画・執筆依頼・スケジュール管理・
打ち合わせ・原稿チェック及び編集など
営業・販売促進(営業、広告営業、販売促進)
→出版取次会社や書店への書籍や雑誌の営業・提案、広告主への営業・提案など
【出版取次】
→出版社への注文・精算、書店への新刊配本・
注文配送など
【書店】
→入荷・検品・商品の陳列・発注・返品(返本)・
お客様への対応・出版社への対応など
業界の魅力とネガティブ要素
【魅力】
・形に残る仕事である。
・読者に夢や感動を与えられる。
→特に出版社では雑誌の企画や漫画・小説の編集
などを通して、出版物という形に残るものに
関わることが出来ます。
自分が手掛けた出版物を世の中に出すことが
出来るため、かなりやりがいを感じることが
出来るでしょう。
また、出版物の読者に
大きな影響を与えることが出来、
夢や感動を与えることが出来ます。
【ネガティブ要素】
・激務である。
・必ずしも希望の職種になれるわけではない。
・華やかな一面もあるが、地味な仕事も多い。
業界の現状と課題
【現状】
雑誌・書籍の推定販売金額は
合計で13年比4.5%減の1兆6065億円だった。
ピークの1996年の2兆6564億円と比べると、
約4割も減っている。
2015年の出版界は、
お笑い芸人・又吉直樹さんの芥川賞で湧き、
『火花』(文芸春秋)は
200万部を超えるベストセラーになりました。
【課題】
●出版不況で市場が縮小
近年は出版不況と言われており、市場が縮小。
Amazonなどの台頭により、
特に書店は厳しい市場状況に置かれています。
電子書籍も予想以上に市場は拡大していません。
2017年に2400億円規模まで成長すると
言われていますが、他の産業と比較すると
成長率は鈍いと言えるでしょう。
●ネット通販の登場で価格競争に
出版物は再販制度によって守られており、
書店同士での値引き交渉はできません。
しかし、ネット通販では定価割れで
書籍が売られる光景が当たり前に見られます。
ネット通販による価格競争に、
書店が巻き込まれているのです。
今後、既存の大型書店とAmazonや楽天などの
ネット通販サイトの価格を巡る競争が
激化していくことでしょう。
※再販制度出典 Wikipedia
再販売価格維持(さいはんばいかかくいじ、英語: resale price maintenance)とは、ある商品の生産者または供給者が卸・小売業者に対し商品の販売価格を指示し、それを遵守させる行為である。再販売価格維持行為(再販行為)、再販売価格の拘束とも呼ぶ。
要はメーカーが小売業者に対し商品の小売価格の値段変更を許さずに定価で販売させることをいう。
再販売価格維持は、流通段階での自由で公正な競争を阻害し、需要と供給の原則に基づく正常な価格形成を妨げて消費者利益を損なうため、資本主義経済を取る国の多くでは、独占禁止法上原則違法とされている。但し例外的に一部商品については一定の要件の元に再販行為を容認している場合があり、それを再販制度と通称する。
押さえておくべき最新ニュース
●出版大手と動画サイト運営会社が経営統合
2014年10月、大手出版グループKADOKAWA(売上高1511億円)と「ニコニコ動画」を運営するドワンゴ(同359億円)が経営統合した。15年10月から社名をカドカワとする。KADOKAWAが映画やアニメの豊富なコンテンツを持つ一方、ドワンゴの「ニコニコ動画」は若者を中心に会員数4100万(14年9月)を擁する。お互いの強みを活かし、リアルとバーチャルの両方の世界で発信力を高める戦略だ。
●コミック誌ぞくぞく電子書籍化
講談社は業界に先駆け2013年5月、「モーニング」の電子版を出した。これに対して集英社が翌14年9月、日本最大の漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」電子版を刊行。さらに講談社が15年1月、コミック22誌全ての電子版化の方針を打ち出した。
●KADOKAWA、Amazonと紙の本を直接取引
出版大手のKADOKAWAが2015年4月からインターネット通販大手のアマゾンジャパン(東京・目黒)と紙の書籍・雑誌の直接取引を始めた。出版物を書店に届ける取次を介さないことで物流を効率化。消費者に早く商品を送り届けられるようにする。仕入れ費用を抑えられるアマゾンはポイントなどの形で消費者に収益を還元することも可能になる。
※直接取引出典 日経業界地図 2016年度版
出版社が取次会社を通さず、書店やインターネット通販会社と書籍や雑誌を取引すること。消費者に早く商品を届けられる可能性がある。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
出版でも特に出版社希望の就活生は非常に多く、また採用人数もかなり少ないため、激戦になります。
出版社を受けるからにはそれなりの覚悟と努力が必要です。生半可な気持ちではなく、何故出版社で働きたいのか、どんな仕事がしたいのかしっかり考えて準備することが大切です。